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学校の臨時休校へのネガティブ報道に問題はないのか?

2020年3月8日

 先日、臨時休校中の学校で、先生方への短時間の研修の機会を頂きました。「カウンセリングマインド」についての研修だったのですが、臨時休校が実施されて間もなくの時でしたので、先生方の戸惑いの様子もみられましたので、25年前の私自身の体験談から話をさせていただきました。

 1995年1月17日(阪神淡路大震災)の朝は、通勤の車を途中で降りて歩いて、被災地の中心地にあった学校に向かいました。学校の周りの家屋は倒壊し、一部で火のてがあがっていました。その日から、3週間以上学校は休校となりました。勿論、何の準備も出来ていません。

 学校は、避難所となり、次々と地域の方が避難してきました。その対応のため、生徒や保護者の安否確認も時間を作って、先生方が交代で校区を回り実施をしました。3週間は、教員の仕事よりも、避難所運営などに多くの時間を割きました。先ずは目の前の人々の安心・安全の確保が最優先と考えていました。

 今、臨時休校も突然で、また、状況は日ごとに変化し、時には教員の職務を超える課題にも取り組まなければならないこともあるかも知れません。しかし、感染の脅威を減らすために、子どもたちの健康被害を防ぐためにも、先生方のお力が必要です。ご苦労をおかけしますが宜しくお願いします、とお話いたしました。

 研修後に、「職員の苦労を認めて頂いて嬉しく思いました」「気持ちが整理されました」等のお声掛けを頂くことができました。

 今日の本題に戻ります。

 学校の臨時休校には大きな意義があります。子どもたちは、仲間と会えない、一人で家で過ごすのは辛い、ダラダラしてやる気がでない等、様々な不満や苦労を感じている事でしょう。しかし、学校での濃厚接触をさけることや、気付かないうちに感染源になってしまわないことの意義を理解させれば、2~3週間ほどの行動の自粛へも協力をしてくれます。小学校1年生でも、落ち着いた状況の中では、その判断力や自己統制力、道徳心は十分に持ち合わせています。

 愛知県で感染している50代の男性が、自宅待機要請を無視して飲食店で「ウィルスをまき散らす」という騒動が起きたことが報道されていました。真相は明らかではありませんが、自宅待機の要請と、入院への手続き、発症後の不安から、自暴自棄になっての行動も疑われます。分別のある年代であっても、不安が引き起こした事例とも考えられます。

 もし、この当事者がこどもであればどうでしょうか。落ち着いた状況では、判断力や自己統制力も、こどもでも十分に働かせることは可能です。しかし、不安やストレス、恐怖等の前では、その力は大きく低下します。大人も同じですが、大人には経験知やプライド、思考力の力で、多少の自制力は効くのでしょう。

 そのような点からも、子どもへの感染拡大は、より防がなくてはなりません。

 だが、学校の臨時休校へのネガティブ報道が繰り返されると、子どもたちの意識に変化が生じます。「学校を休校するほどの危険性はないのかも知れない」「友だちとの接触にもマスクや換気の徹底をすれば問題がない」「こどもは重症化しない」等、蟻の一穴のように、効果が消滅する危険性があるのです。

 むしろ、子どもたちの、行動自粛を高く評価し、その努力を励まし、その意義や子どもとしての社会的役割の自覚を促すような報道が、明るく、楽しく広がっていくことを願います。

それが、我慢を強いられている子どもたちへの力強い応援メッセージとなるからです。

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