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自粛は、効果がなかった?!

2020年6月14日

(大阪大学・中野貴志教授)「データを見る限り関係はなかったと思います。」

(吉村知事)「緊急事態宣言も営業の自粛も、全く効果はなかったということですか?」

(中野教授)「なかったと思います」(MBSニュース2020.6.12)

 この報道には、大変驚きました。中野氏は、物理学の権威であり、数式とグラフを示してその根拠が示されれば、私としては何も反論ができません。説明主旨の論文を見ましたが、正直理解はできませんでした。ただ、グラフは、日にちを追っての右下がりのグラフで、感染の収束が示されていることは分かりました。

 グラフを見る限りは、1週間前の感染者総数(或いは新規感染者数)と当日の感染者数(或いは新規感染者数)をベースにしたものであり、それらの総数から導かれたK値(及びk値)という基準値を、判断の根拠とされるものだと理解しました。

 説明文を何度か読み直しましたが、残念ながら私にはこれ以上の理解はできませんでした。

 ただ、日本中の国民(特に感染者がほとんど現れなかった地域までも)が必死に協力した自粛に「効果がなかった」と言い切るには、余りにも簡素なデータに基づく判断との印象は拭えません。

 そして、5月以降の感染者の減少傾向を分析して、この度のコロナウィルスの感染力は、

国が行動の8割自粛を要請する程のものではなく、一定のソシャルディスタンスを取れば、マスクの着用程度の対策で済んだといった主張をされていました。(この部分は、番組を見ての記憶なので間違いがあれば指摘ください)

 

 特に私は、5月以降の感染者減少には、国民の自粛努力と共に、コロナの季節性(夏季に向かって感染力の低下がみられる)が大きいと感じています。

 医学的、或いは統計的観点などはありません、感染を恐れる生活者としての素朴な感想です。

 著名なタレントの突然の訃報に接した時の恐怖に近い不安な感情を思い出すと、コロナの感染力が弱いとは全く思われません。医療従事者が、ゴーグルやN95マスク等の防御をしながらも感染された報道をみても、ピーク時にみられた感染力は、相当のものであったと考えます。しかし、自粛の徹底と共に、感染者数は減少に向かいました。自粛の効果が大きいと思いますが、季節が夏に向かっているということも大きいと考えます。

 自粛解除となって、東京や北九州市に小さな2波が訪れましたが、幸いにも拡大には至りませんでした。地元の迅速な対応が評価されますが、クラスターが発生したにも拘わらず、拡大しなかったのは、コロナ自体の感染力の強弱もあるのではないでしょうか。

 

 前述の中野教授の解釈には、表出したデータの分析には長けていても、それらのデータが表出された様々な背景要因への言及が足りないと感じています。

 グラフの結果から、自粛の効果を証明するエビデンスを見出せなかったというのが、主張の根拠のようですが、自粛をしなくても感染者数は減少したというエビデンスが見出された訳でもないようです。

 私にとっては、ピーク時の自粛は、私自身の感染、或いは感染拡の拡大を予防することにもなり、安心感を持つことができました。併せて、自粛を励行する市中の人々の行動に感謝したい思いでした。

 自粛は、感染後の重篤化の恐れの高い高齢者や基礎疾患のある人だけが、行えば良いのではありません。重篤化しないとしても多くの人が感染すれば、結局は高齢者や持病のある人のリスクは高まります。

 自粛が必要でないとの、明確なエビデンスが無い中での今回の発言は、大変危険です。感染者が減少し、市中にも安心感が広がる中での発言ですので、看過される部分もあるのでしょうが、大きな影響力のある人なので、丁寧な説明が必要です。

 政府の専門者会議に対して、立場や見解の違う他の専門家からの検証が必要と言われるように、ご自身の見解に対しても検証を求められることが大切です。

 

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