心理学会に参加しました 3

投稿日:2015年9月23日

EMDR療法の未来のビジョンについて語られた招待講演に参加をしました。語り手は、EMDRヨーロッパ学会の会長の方でした。
EMDRとは何かということを簡潔に説明することは難しいですが、「人間の脳が記憶を適切的な処理する過程を促進するための治療」とここでは、まとめておきます。
Eye  Movement Desensitization and Reprocessing (眼球運動による脱感作と再処理法:学会ホームぺージより)の頭文字をとったものです。
テレビでもその画期的な治療法が紹介され近年大きな注目を浴びています。特にトラウマ的出来事によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に効果が期待をされています。
1989年、アメリカの女性治療者による発表により始まりました。レム睡眠とは本来REM
(Rapid Eye Movement)を伴う睡眠ということですが、彼女はこの急速な眼球運動に注目したのです。REMによる脳の適正処理を応用した治療法だといえます。この治療は、眼球だけではなく両肩へのタッピングや、両耳への交互のリズム音などの両側刺激も有効であるといわれています。この講演では、会場の全員が、個々人が椅子に座った状態で、各自の両掌で両足の太腿に交互にタッピングするという体験をしました。講師から、ここ一両日で体験した軽微なトラウマを想起して、その記憶がどう変化したかを尋ねられました。会場の半数以上の人が、記憶が薄らいだ感に挙手していました。
EMDRのこれからの発展性を期待される講演でした。

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