危機対応とは何か

投稿日:2020年2月29日

目の前を何かが飛んでくると思わず目を閉じます。足元に突然動くものが現れると、飛び跳ねるでしょう。私たちの身体は、危険を予知すると、とっさにそれを避けようと反応するようになっています。そうすることが自身の安全や生命を守ることになると仕組まれているのです。危機対応とは、この間髪を入れない反応が重要なんだと思います。

コロナウィルスへの対応は、今そのような時期に差し掛かっているように思えます。日本国内で、感染者数が爆発的に伸びていないのは、検査者数が圧倒的に少ないからに他なりません。検査体制を拡充すれば、それに比例して感染者数は増加することは、容易に想像されます。

今回の「学校の臨時休校措置」に様々な反応がみられました。ただ、残念なことに「唐突過ぎる。」「子供だけ家に置いておけというのはあまりにも場当たり過ぎる。」「休校措置に効果があるかどうかわからない。」「(感染者の)データ不足で、措置の有効性が検証できない。」

といった声が、専門家や政治家からも発せられていました。

潜伏期間が2週間ならば、休校期間中に感染者は発症し、そうでなければ健康被害はあらわれません。発症したら医療機関で治療を受け、感染が広がらないように注意しなければなりません。休校措置は、理論的には、発症しない感染者が次々と感染を広げて行くとういう危険は回避できるわけです。

そのことから、休校措置を遅らせることは、発症しない感染者が存在すると仮定するならば、感染の広がりを加速度的に拡大することにつながります。データが揃うことを待つことは、更に対応の遅れとなります。

緊急対応は、スピード感がなければ意味がありません。今回の措置が効果があったかなかったかの検証も、今後の政策決定には重要でしょう。しかし、危機に直面している状況において、対策を回避することは許される状況なのでしょうか。

数週間の休校措置は対応できない状況ではありません。方法は、必ずあります。実際に、学校には夏休み期間もあります。阪神や東北の大震災の時には、準備無しで数週間の休校を余儀なくされました。

状況を分析し、万全の準備を整えての危機対応は必要でしょう。しかし、その為に時期を逸することは、危機を拡大することになってしまわないのでしょうか。誤解してはならないのは、これは一か八かの選択を意味しているのではありません。効果があると考えられることを、いくつかの障壁があっても実行しなければならないという決断が必要であるとを言っているのです。

 

 

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