家庭に戻った子どもたちをどうケアするのか

投稿日:2020年3月2日

学校の休校要請をむやみに批判する専門家やマスコミの無責任な発言には、危機管理意識の欠如を強く感じます。考えられる対策は、空振りを恐れず実行されるべき時ではないでしょうか。

休校により家庭に戻った子どもたちのケアについては、また教育や心理の専門家が具体的方法について提示することが求められています。

多くの家庭では、通常の学校の時間帯においては、留守状態であると思われます。その為、学校が休校となると、午前中から夕方までの時間は、子どもだけ(1人から数人)が家で過ごすことになります。特に低学年では、本人も保護者にも大きな不安を抱えることになります。そのような状況を想定しながら、子どもたちへのケアについて考えてみましょう。

第1に考えておくべきことは、子どもの安全・安心に関わるケアについてです。

一人での留守番となると、不意の来宅者や電話への対応が気になります。本来、その時間は不在の時間ですので、対応をしなくても良いというルールを決めましょう。届け物等なら不在通知が入ります。訪問者も、不在を前提に考えているでしょうから気持ちの負担を持たないようにすることが必要です。

電話は、留守録設定にして、家族の声が確認できれば受話器をとってもよいでしょう。スマホなら着信通知で、送信者が確認できれば対応するようにします。

上記のようなルールについては、小1の児童でも十分理解できます。

また、子どもから保護者にいつでも連絡が取れるという安心感は大きいです。仕事の関係で保護者がいつでもの対応ができない場合は、会社の番号や、親戚、場合によっては学校への連絡のルートも設定しておきたいものです。また、定刻或いは一定時間に、保護者から子どもへの連絡を取ることをルール化しましょう。「つながる」安心感は、大きいです。

第2には、子どもたちの心身の緊張感を維持するケアが必要です。

普段、学校よりも家庭は緊張感を緩める場所です。まして、一人で過ごす家庭の時間は、子どもたちの緊張感が低下するのが当然です。その状況を是正しないで、家での時間が増えれば、ダラダラとした生活が続いてしまいます。

先ず、起床時間、就寝時間、食事時間、入浴時間等、生活の核となる時間については、変えてはなりません。服装も、パジャマで過ごす事のないように、家着で良いのです着替えましょう。そして、午前中や午後の3時くらいまでの時間については、学校の時間割の様に勉強の時間、休憩時間等の枠を決めておきたいものです。

そして、その枠内に、実際は何をしたのかを記録するような習慣をつければベストだと思います。「勉強」「算数」といった学習のことだけではなく、「片付け」や「お手伝い」、「昼寝」「ストレッチ」「運動」でも構いません。正直に記録することが大事です。ただ、学校の時間帯には、「ゲーム」や「ユーチューブ」などは禁止したいものです。

第3には、生活目標を意識化させるケアが必要でしょう。

「今日の目標」などが、設定できれば良いでしょう。

決して大きな一歩を要求しないことが大事です。「食事を残さない」「運動する」「漢字を100字書く」「単語を10個覚える」「机を整頓する」等、ちょっとした内容で十分です。目標が有るか無いかが大きな差となるのです。

上記のことを保護者決めるのではありません。子どもと話し合って、順次決めてください。

小学校1年生でも同じです。話し合いで十分に理解できます。私は、東北大震災の支援で3年間石巻の小学校に行かせて頂きました。熊本地震でも、震災支援で小学校に入りました。小学生低学年に言葉でのカウンセリングが可能だろうか?プレーセラピーや描画によるセラピーが有効ではないか?と迷いながら、向かいました。多くの子どもたちへのカウンセリングが予定されていましたので、ほとんどが言葉による遣り取りでしたが、小学1年生でも十分に気持ちを聞き取り伝えることが可能であると実感いたしました。

学校へのお願い。休校期間中、学校の時間帯には、先生方がチームを組んで、時間ごとに校区内を巡回してください。先生方が、家の近くを巡回されていることを知るだけで、子どもたちは安心感を覚えます。また、不要不急の子どもたちの外出を防止することにもなります。家庭で一人で過ごしている子どもたちからの、至急のSOSにも短時間で対応することも可能となるからです。

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