広島の16歳専門学生の殺人事件で、LINEの簡便性とそれ故に、若者の間に急速に普及している実態が明白になった。
一方、大津の中学生いじめ事件が大きくニュースで取り上げられ、学校現場や教育委員会の対応の杜撰さが指摘されたにも関わらず、同じようないじめやそれを因とする自殺事件が、後を絶たない。
自殺にまでは発展しなくても、小中高生の学校不適応が、拡大の一途である。小1ギャップや中1ギャップと言う言葉がようやく認知され始めて来たが、今、高1ギャップによる学校不適応が急増しているように思う。
ほとんどの生徒が、中学3年生で自らの進路選択をして、受験競争(今は、かってほど過激ではない)に勝ち抜いて、大きな夢を抱きながら入学してきたハズなのに。
校種の変わる1年生にギャップがあるのは、新しい制度や、学習内容が難しくなることにも要因があるが、先生との関係や友だち関係を主とする、人間関係の構築の困難さである。特に、高校では、校区が広がり、自分の周囲には気心を知った者が極端に少なくなっている。そういった状況下で、自分の依拠する仲間や所属集団を形成するという作業が要されるのである。
昔は、クラスの中の近くの席の者とか、部活動の仲間同士から、自然的なグル-プが時間をかけて形成されていった。そして、その仲間も、学校で過ごす時間の間だけのつながりがほとんどであった。
今の高校生は、ほとんどが携帯を持ち、仲間となると同時にLINEでつながる。情報は、仲間間で共有され、そのつながりは深夜に及ぶこともしばしばで、24時間中と考えても間違いない。もし、仲間の人間関係に齟齬が生じると、一刻でも早く修正しておかなければ、たちまちのうちに拡散する心配がある。今の高校生は、こんな状況に追い詰められて居るのではないのか。
数年前には、予想もしなかった生徒指導上の問題である。簡便な通信アプリの普及により、いじめの様相は一変した。私は、高校生のスマ-トフォンの使用と携帯することを全面禁止し、彼らの安全と生命を守って行くことが、大人の責務であると思っている。
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