親の知らない いじめの実態

投稿日:2014年11月28日

 

こどもが自ら命を絶ったり不登校になって、初めて深刻ないじめに気付くことが多い。そうなる前に、親や教師は分からなかったのだろうか?いじめに端を発する悲しい事件が報道されると、誰もがそう考える。
いじめに遭っているこどもは、必ず何らかのサインを出している。周囲はそれに気付いてあげなければならないのだが、見落とされている。なぜだろう?
理由はいくつか考えられる。サインそのものが小さく目立たないという場合もあるだろう。サインは出しているが、別のサインも同時に出していることもある。いじめられている相手と仲良く遊んでいたり、家では良い子を演じていたりする場合である。また、サインは常時出されている訳ではない。穏やかに生活していたり、何かに熱中している姿を示している時もあるからだ。
周囲が気付くほどのサインを示している時は、いじめも深刻な段階にあるかも知れない。
あどけなさの残るこどもといえどもいじめの実態は残酷である。自分の感情のコントロールが不十分であるほどに、いじめは際限なくエスカレートしていくからだ。

 教室で、トイレで、廊下で、多くのこどもたちの目の前でいじめは起きている。ただ、親や教師が知らないだけである。いじめを目撃したこどもたちは何も言わない。言えば、いつ自分がターゲットになるかも知れないからである。いじめのターゲットになれば、誰も助けてくれないことは、目の前の事実が証明している。たまたま、いじめている場面を教師が目撃しても、何も変わらない。教師が、加害者にも被害者にも、周囲のこどもたちにも事情聴取しても、誰一人もいじめであることを認めないからである。

こどもたちは、自分の周囲にはいつもクラスの子供たちが取り巻いていることを知っている。教師は、自分を守ってくれる存在であったとしても、職員会議や用事や出張で、片時も自分から離れない存在とはならない。そうである限り、クラスの子供たちとの人間関係を優先するのは、当然なんだろう。目撃した誰かが勇気をもって、いじめがあったことを教師に告げたとしよう。それでも加害のこどもは認めないだろう。保護者に連絡して、「申し訳なかった」と謝ってくれる場合は、解決するかもしれない。しかし、こどもを加害者だと疑ったと、逆ねじをくらわす場合も多い。そうなれば、誰がいじめと言ったのか、犯人捜しを始めるかも知れない。いじめを認定することは極めて至難である。

では、いじめを起こさせないための策はあるのだろうか?あります。いじめを認めないのは、彼らは自分たちの行為を否定しているのではなく、いじめる目的や意思がなかったことを理由としている。そこで、いじめの意思の有無ではなく、いじめの行為の有無でいじめを指導するのである。多くの目撃者のいる行為であれば、全面否定はできない。行為に徹して指導を続けることで、いじめは撲滅できる。

この記事へのコメント(0

まだ書き込みはありません

コメントを残す