頭脳の肥大化、心のスリム化

投稿日:2026年6月28日

1年生の廊下で、児童が怒られている。先程迄、頑張って拭き掃除をしていた

男の子だ。チャイムが鳴って掃除が終わると、バケツに向かって汚れた雑巾を

投げたところを先生に見つかったのだ。

私が通りかかった時は、一生懸命拭き掃除をしていたので、褒めたばっかりの

所だ。ちょっぴり可哀そうになったが仕方がない。

最近の学校では、先生の怒り声もめっきり少なくなった。私が現職の頃は、先生

の怒鳴り声が、階下の職員室迄響いていることも日常だった。

怒られた児童は面白くなかったであろう。チャイムが鳴ってホッとして、少し遊び

心で投げたのかも知れない。しかし、「人に当たったらどうするの?」という先生

の指導ももっともダ。

怒られた児童は、折角良いことをしても、後始末が悪ければ台無しだという事を、

学んだかも知れない。私も良くある。台所の洗い物をして、その後、床が水浸しだ

と文句を言われる。理不尽だと感じながらも、黙って床を拭く。

 

怒られることは楽しいことではない。しかし、その事によって、気付いたり、失敗を

繰り返さない歯止めとはなる。最近は、学校でも怒られることが少なくなったのは、

良いことなんだろうか?子どもの気持ちも害さないし、保護者からのクレームも避

けれるかも知れない。しかし、そのことで身に付けられなくなった、作法や道徳、そ

れが身につられない事で失った信用や信頼があるのではないか。

 

その意味で学校は、子どもにとって大事な学び舎だ。学校から、怒られることを減

らすことが必ずしも良いことだと思わない。「感受性の高い子どもも存在する」との

批判もあるかも知れない。だからこそ、怒られて免疫をつけておかなくてはならな

いのではないか。

学校で、喜怒哀楽の葛藤場面が減るほど、将来の大人は、平板で柔和で、繊細で、

そして、浅薄で脆弱な心の持ち主の存在となってしまうのではないか。

栄養価はあるが、食べやすく柔和に調理された食物で、スリムな顎をもった未来

人のように、心まで、柔和でスリムな存在の未来に生きる人間は、氷河期で生

き延びたマンモス(巨大化した身体)が、温暖化によっていち早く絶滅したように、

巨大化した頭脳だけの、危機には最も弱い生物とならないだろうか?心配だ。

この記事へのコメント(0

まだ書き込みはありません

コメントを残す